みなさんご存知のように、トレーニングが身体に良いことは明確な訳ですが、ではどうやって続けていくかという問題に差し当たります。
「トレーニングが身体に良い。分かっちゃいるけど・・・」
そもそもヒトは筋トレをするようにデザインされていません。
約200万年も続いた石器時代、食料が不足していて、エネルギーは貴重でした。
貴重なエネルギーは狩猟や逃避、生殖活動などで優先的に使われ、他では余分な力を使わないようにしていました。
進化の過程で最適化されてきた故に、食料が充分にある現代でも、余暇の時間はゴロゴロするように本能は語りかけてきます。
その誘惑に負けない意志力が必要になります。
今回は一つ、意志力をマネージメントするワザを紹介します。
紹介するのは、スタンフォード大学のMischelらが考案したイフ・ゼン実行プランです。
(if)もし、誘惑に直面したら、(then)その時にこうしよう、と決めてしまうのです。
ミスター・クラウン・ボックス実験でこの効果は実証されました。
ミスター・クラウン・ボックスとは木箱で作ったピエロの人形で、箱の中にはオモチャやお菓子が入っており、楽しげな音楽と共に子供たちに呼びかけます。
「一緒に遊ぼう!とても楽しいよ!」
作業中の子供たちは誘惑に負け、作業を中断して遊んでしまいます。
そこで、研究者は一つの子供のグループに指示しました。
「もしもミスター・クラウン・ボックスに誘われたら、『仕事しているから遊べないよ』と言ってみよう」
このような単純なルールだけで、子供たちは誘惑に抵抗し、作業を継続することが出来たのです。
更に、ニューヨーク大学のGollwitzerらは、学生たちを対象にイフ・ゼン実行プランの効果を実証しました。
誘惑の多いクリスマス休暇前に学生たちにレポートの課題を与え、半数の学生には「レポートを書く時間と場所」といったイフ・ゼン実行プランを書くように指示し、残りの学生には指示を与えませんでした。
結果、イフ・ゼン実行プランを行った学生は71%、残りの行わなかった学生は32%が休暇後にレポートを完成させていました。
さて、気づいた方もいるかもしれませんが「トレーニングを予約して、ジムに行ってトレーニングする」パーソナルトレーニングは、時間と場所を指定することで自然にイフ・ゼン実行プランを行い意志力をマネージメント出来ていることになります。
家でトレーニングをすることも可能ですが、ソファ、ベッド、スマホ、テレビ・・・と誘惑に溢れているのでなかなか集中出来ません。
(if)もし、ゴロゴロしたい誘惑に直面したら、(then)時間を決めてジムに足を運ぼう
意志力をマネージメントすることは健康的でエネルギーに満ちた人生を送る上で大切なテクニックです。
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